1) 分解 |
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写真1a |
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屋根から下ろした
エモテーター105TS。
20年以上 屋根上の
タワーに上がって
いました。 |
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写真1b |
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鉄製のネジにさびが
ありますが まだ
使えそうです。 |
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写真2 |
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モーターケースの端子盤を
外します。
配線の色を記録して
端子盤の裏の配線を
外します。 1 赤、 2 緑、 3 黒
4 青、 5 黄、 6 白
端子盤は外さなくても
ベアリングははずれますが
外した方がはるかに
作業性が良いです。
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写真3 |
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モーターケースの下方から
ベアリングを止めている
4本のネジを外しリングと
ギヤケースを外し
本体を開きます。
少しグリースが残って
いました。
ベアリングボールを
なくさないように。
(個数):
ギヤ側(上側) 49個
リンク側(下側) 47個
でした。
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写真4a |
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モーターケース側様子。
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写真4b |
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モーターケース側様子。
上方より見る。
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写真4c |
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モーターケース側様子。
側面より見る。
下方のベアリング受けの
グリースは 固化していた。
写真の都合で 端子盤は
付いている状態になって
いる。
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写真5 |
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モーターケース内に
駆動ギヤアセンブリーが
入っている。
取り出して 裏面(下側)から
みた様子。
鉄板の上にモーター、
コンデンサ、
ポテンシオメーター(VR)等
が見える
写真は クリーニングした
後の写真です。 |
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写真6 |
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モーター、コンデンサ、
マイクロスイッチ アセ
ンブリーを 配線を付けた
まま外します。
(クリーニング後の写真)
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写真7 |
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ポテンシオメーター(VR)
アセンブリを外します。
(クリーニング後の写真)
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写真8a |
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モーター関連と
VR関連を外した
駆動ギヤ アセンブリー。
減速ギヤは2軸で
5段カスケード。
一番歯が大きいギヤが
ギヤケースと噛み合い
ます。
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写真8b |
| 駆動ギヤ アセンブリーを
横から見る。
左端は 回転ストッパー用
ノブ。
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写真8c |
| 駆動ギヤ アセンブリー。
右端は 回転ストッパー用
ノブ。
ノブもグリースで固まって
動きにくい。
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写真8d |
| 駆動ギヤ アセンブリー。
手前のギヤ(1番ギヤ)が
モーターのピニオンギヤに
つながる。
下部のこの1番ギヤに
解けたグリースが
流れ込む。
固化したグリースで
軸受けが固まり 非常に
固い。(指では回らない)
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2) クリーニング |
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写真9a |
| 固化したグリースを
デグリーサーで吹き除き、
灯油で洗い、もう一度
デグリーサーで
クリーニングしました。
3番キヤを指で押すと
ギヤ全体が回転するほど
軽くなりました。
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写真9b |
| ストッパーノブ側。
ノブも軽く動くように
なりました。
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写真10 |
| ベアリングボール、
ネギも 同様に
クリーニング。
モーター軸受けは
クリーニング禁止です。
ミシン油を一滴つけ
ました。
内蔵部品 一覧写真です。
右の2本は ネジ回し。
部品ではありません。 |
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写真11 |
| ケース、リングも
クリーニング。
マストホルダーは
そのままです。
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写真12 |
| モーターは
ピニオンギヤだけ
クリーニング。
回転する円盤は
ブレーキディスク。
通電すると 回転子が
前に突き出て 摩擦が
なくなる構造。
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写真13 |
| モーターも分解。(不要)
ステータは 教科書通りの
磁気回路です。
一角に温度センサー。
ローターは直径に比べて
長い構造です。
軸受けにコイルバネが
あり 停止時はローターを
押しブレーキディスクが
摩擦板とこすれて
ブレーキになる仕組み。
通電時はローターが
磁気で引かれてギヤを
突き出す。
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3) 組み立て |
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写真14 |
| 駆動部を組み立てる-(1)
モーターのギアの
かみ合わせの深さは
適度に調整。
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写真15 |
| 駆動部を組み立てる-(2)
コンデンサー(6.8uF)を
支えるラグ板、
マイクロスイッチ、
ポテンシオメータ(VR)を
取り付ける。
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写真16 |
| ポテンシオメーターは
仮止めとする。
手で回転してVRを調整
できるように ギヤは
結合しないでおく。
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写真17 |
| ギヤ全体を組み立て
通電しギヤが軽やかに
回転することを確認。
電流を測定してみたら
100V 26mA AC であった。
その後、グリースアップ。
各ギヤの軸受けには少々
スプレー式のリチューム
グリースを吹きつけ、
ギヤの歯には
竹串で丁寧にウレア
グリースを塗る。
時々回転させ均一に
塗る。
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写真18 |
| VR位置合せ作業-(1)
VRの抵抗値を計りながら 結合ギヤを指でまわし
VRを中点にあわせる。
VRは 600オームなので
片側300オームとする。
10オーム位の誤差はOK。
その状態でギヤを
結合する。
このVRはストッパーが無く
回し過ぎると中央端子が
オープンになる構造。
そのときは戻せば良い。
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写真19 |
| VR位置合せ作業-(2)
方角を正しく表示させる
ため ストッパーノブと
ギヤケースの位置を
合わせが極めて重要。
ギヤケースの内側にある
ノブ押し突起を
ストッパーノブの180度
反対の位置に合せること。
モーターなどを組み立てた
ギヤアッセンブリをモータ
ケースにネジ止め後、
上下逆さまにして
この方向関係を保つ。
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写真20 |
| VR位置合せ作業-(3)
ノブ押し突起は表側にも
鋳込んだ "マーク"がある。
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写真21 |
| ギヤケースの
内側ギヤ部分と。
ベアリング部に
ウレアグりースを塗り
埋め込む感じで
ボールを並べる。
グりースの粘着力で
ボールは落ちないです。
さらにボールの上に
グリースをたっぷり
塗りました。
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写真22 |
| リングも同様に
グリースを塗ります。
ボールの上にも
グリースをたっぷり。
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写真23 |
| 配線を外に出しながら
モーターケースにギヤ
アセンブリーを納め
3本のネジでとめる。
その後、上下逆さまに
したモーターケースを
ギヤケースの中央に置く。
このとき
a)ギヤケース突起と
b)ギヤアッセンブリー
のノブ
の位置は ほぼ正確に
180度反対方向に置く
ことが重要。
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写真24 |
| モーターケースとギヤ
ケースの位置関係を保ち
上下を反転します。
そしてモーターケースを
リングの中央に置く。
リングを持ち上げるように
して位置を合わせ、
4本のネジで固定する。
接続端子も取りつける。
マストクランプの位置を マストの直径を考慮して
決め 4本のネジで固定し
組み立て完了。
最後にモーターケースに
銀色の塗料を吹きつけた。 |
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4) 取り付け作業で大問題 |
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メンテナンスが完了したので、早速屋根上のタワーに取り付けを開始しました。。。
ところが。。
誤って エモテーターを屋根から地上に落下させてしまいました。
コンクリートの地表にぶつかり破損しました。被害は
1) アルミのケースの変形と ヒビ割れ、
2) 内部のギヤアセンブリ鉄板基板のめくれ、
3) モータのステータ止めネジ変形 (もちろん回転しない)
4) ポテンシオメーターの伝達ギヤ歯の欠損
ケースは 部品として販売されていますが とても高価です。
メーカーに聞くと
ギヤケース:9千円、モーターケース:8千円、リング:3千円だそうです。(2014.7.2現在)
数日後 気を取り直して修理してみることにしました。
・モーター
ステーターを固定する曲がった4本のネジを丁寧に修復し軸受けを丁寧に合わせ
正常回転を回復させた。鉄製のモーター支持金具の曲がりはラジオペンチで修正した。
・ギヤアセンブリの基板(約2mm厚の軟鋼板)
基板は衝突時のモーターの重みでめくれ上がってしまいでこぼこ。
幸い減速ギヤ軸は曲がっていなかった。
ギヤアセンブリを分解し平らな鉄板を取り出して 要所を大型万力でプレスして平らにした。
・ポテンシオメータのギヤ
一部2〜3個の歯がつぶれていて修復不能。
幸い通常回転範囲ではこの部分は かみ合わない事がわかり放置することにした。
・ケース(アルミダイキャスト)
落下時に強打した部分はリングの固定ネジ部分1カ所のようでした。
ケース全体は円形のケースがハート形に変形していました。
ベアリングのライナー部分を有するモーターケースのひずみは少なかった。
ケースは凹みを木片を介して内側から金槌でたたいて 形を修正しました。
ギヤケースとリングは木材で円弧の木型を作って これを介して 万力でプレス。
できるだけ変形をもどしましたが 完全な円にはもどらなかった。
再度組み直し ケースクラック部分とベアリングリングの隙間は 雨水進入防止のため
屋根用コーキング材で塞ぎました。
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写真25 |
| 約8m落下し 地表
コンクリートに激突。
横のボルトの位置が
地面に当たったようだ。
丸いケースはハート形に
変形してしまった。
モーターケースとリングの
隙間から下側ギヤベアリング
が見える。
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写真26 |
| 上部ギヤケースには
クラックができた。
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写真27 |
| リングにも1箇所
ネジ部にクラックができた。
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5) 雨水対策と最終結果 |
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写真28 |
| 分解・整形して
各ステップ毎に動作を
確認しながら再度組立て
ました。
外ケースのクラックは
コーキングで雨水対策を
施しました。
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写真29 |
| ベアリングリングのすきまも
コーキングしました。
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写真30 |
| 再度
銀色塗装をして完成。
試験回転をして
ポテンシオメーター(VR)の
位置余裕を調べました。
左回転ストッパの位置で
4-5pin間 33オーム、
右回転ストッパの位置で
6-5pin間 42オーム で
VRは回転の余裕があり
正しく方角を表示できた。
少し形が悪いですが何とか
修復に成功しました。
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写真31 |
| 最後にケースの変形に
よるマストの振れを計測
しました。
40cmのパイプを取り
付けて パイプ上端の
横ぶれを計測しました。
数ミリメートルの振れが
ありますが タワー台座の
柔軟性で吸収出来ると
見込んで、タワーに
取りつけました。
取り付け後は、スムーズに
回転し、消費電流は
29mA ACでした。
方角によって値が変わる
ことはありませんでした。
内、2mAはコントローラの
消費電流ですので 負荷を
掛けてもモーターの電流は
ほとんど増加していません。 |
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完了 |
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