工作室のページ
自宅内のLANと電話 パート-2
<< 配線共有 >>
2019.8.23 宅内電話交換機を点検したとき、LAN(ネットワーク)の結線が不安定な部分が断線したため、交換機内のLANの信号トランスを再制作、交換した。
合わせて、このページを改版した。従来のページは こちら。
1992年に家を建てたとき各部屋に電話を設置できるよう宅内電話交換機(松下製)を設置し 各部屋への電話線は壁内に収納し交換機に集線した。
当時 LANはまだ一般的でなかったので LAN用ケーブルは壁内に敷設しなかったが、昨今LANは必需品になり我が家も各部屋のPCをネットワークで結びたくなった。
新たに露出配線でLANケーブルを引き回す事はカッコが悪いので気が進まず、 かといって無線LANは セキュリティ上好ましくない。
幸い電話線は4芯(2ペア)を敷設しておいたので 何とかこれを活用出来ないかと考え この4本の電話線で アナログ電話と コンピューワーク(LAN)の両立できる以下の方法を実施することにした。
対応できるEthernet規格は 4線の制限のため10BTと,100BTXだけで、8線を使用する1Gbpsには対応していない。
この多重化の技術は スグレ物で ほとんど費用がかからず、品質も極めて良く アマチュア工作の腕のみせどころです。 もし似た環境の方がいましたら
お薦めです。
なお 2002年時点すでに類似のアイデアが特許として申請済みであってので 特許の申請はあきらめました。 (^|^;)
<<性能>>
・LANは 100Mbps OK
・電話のアナログ音声の品質はほとんど変化無し(差無し)。
LANのノイズはアナログモデムにも全く影響しない.56KアナログモデムとLANと同時に使用しても問題ない。
MEMO
1.機材・環境
・ISPとの契約 : 1Gbps光回線 (KDDI)
・ONU : NEC H03NU2
・ルータ : NEC Aterm BL190HW
・アナログ電話宅内交換機 : パナソニック VJ−X10
・壁電話コネクタ形状 : RJ14 (電話用、LAN用 同じ形状で各1)
・壁内の既設電話線 : UTP 4芯
2.各部屋にはツイスト線が 2ペアのみ。 多重化のアイデア!
構成図(回路図−1)
3.宅内の電話交換機と LANを多重化した全回路図。
構成図(回路図−4)
4. 工作
・ トランスの作製と各モジュラージャック結線の手順
a) トロイダル・トランスを巻く。 1次,2次共 中点に正確にタップを取るため 4本のエナメル線を同時にコアに巻く。
コアは 直径1cm位。 巻き数は 8回。
(100Mbps (実際の信号は33MHzの3値デジタル信号)と高速なので 巻き過ぎないように)
<壁コンセント埋め込み用トランス エナメル線)
b) 中点の処理と結線
c) 壁内の電話モジュラージャックとの結線
<宅内交換機内用トランス)
a) 宅内交換機内設置用に 2019年、新たに作成したトランス (ジュンフロン被覆線のより線を使用)
e)事前に電話用宅内交換機の背面に、LANのHUB用UTP線をセットした
e)宅内交換内に追加したトランス(白いコアが見える)接続の様子
d) 2つの6芯モジュラージャック(RJ14) 上:電話用、 下:DATA用(接続は下記参照)
宅内電話交換機(右)と Network用HUB(左)
f) これでOK LAN(100Mbps)も アナログ電話も無事つながりました。
LANの伝送スピードは 送信 99.5Mbps以上を計測、100BTXの規格を満たします。
<< 参考 >>
1.LANケーブルの結線
RJ45のコネクタをケーブル側から見たピン配置 |
10BaseTではケーブルの色を気にせず、より線のペアが違っても適当に両方のRJ45のピンで電線の色が合っていれば通信できましたが、
100BaseTX, 1000BaseTでは色を順守して正確により線ペアを合わせないとまず通信できません。
なお<NC>とは、Not Connectedの略で未使用という意味です。
ピン番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対番号 AT&T258A, EIA/TIA568B |
2 | 2 | 3 | 1 | 1 | 3 | 4 | 4 |
色 | 白/橙 | 橙 | 白/緑 | 青 | 白/青 | 緑 | 白/茶 | 茶 |
10BaseTX, 100BaseTX |
TxD+ | TxD- | RxD+ | <NC> | <NC> | RxD- | <NC> | <NC> |
1000BaseT | 双方向 ペア+A |
双方向 ペア-A |
双方向 ペア+B |
双方向 ペア+C |
双方向 ペア-C |
双方向 ペア-B |
双方向 ペア+D |
双方向 ペア-D |
HUB-HUB等、同種機器間の接続に使用します。
なお最近(2000年以降)は 「オートMDI/MDI-X」 機能があるLAN端子が一般的でストレートケーブルで代用できます。
1000BaseTではAuto-MDI(自動極性検知)が規格化されていてクロスケーブルは必要ないす。
各ピンに割り当てられている信号により、 10/100BaseTXのクロスケーブルは、以下のような配線になります。
したがって、対向のコネクタの配置は以下の通りです。
ピン番号 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対向の色 | 白/緑 | 緑 | 白/橙 | 茶 | 白/茶 | 橙 | 白/青 | 青 |
2.電話用コネクタの結線
・コネクタの種類
2芯、4芯、6芯が存在する。
ポジション数(極数)が4?6のタイプは一般にRJ-11の通称で呼ばれるが、規格としては更にコンタクト数(芯数)で分けられている。
なお、規格とは言ってもRJの場合は公式規格として存在するわけではなく、今となっては既に、単なる俗称の扱いである。
従って、同じものを別の呼び方をしたり、異なるものを同じ呼び方をしたりする。
RJ-11 6極2芯プラグ | RJ-14 6極2芯プラグ |
|
・コネクタピンアサイン
6ピンコネクタ RJ-11 ______ ___| |___ | | | | | | | | 1 2 3 4 5 6
a)通常電話ケーブルの結線 RJ-11 3pin と 4pin を使用します。
b)外線NTT引き込みモジュラージャックの特殊結線 ・自宅の電話線引き込みに接続されているモジュラージャックは特殊な接続に変更している。 スペースがないため、一つのモジュラージャックを入力(中央2線)と出力(外側2線)で共用し この入出力間にADSLモデム(ホームゲートウェイ)を接続するように壁内のモジュラージャック結線を改造した。 - モジュラージャックを2つのペアに分離するため分岐コネクタと特殊配線の電話コードが必要です。 RJ-14 NTT入力外線への結線: 3pin と 4pin を使用します。直接電話機を接続することも可。 宅内交換機への結線 : 2pin と 5pin を使用します。 ______ ___| |___ RJ-14コネクタ ケーブルの反対側から見た番号 | | (壁のモジュラージャックへ) | | | | | | 3,4pin: NTT外線 1 2 3 4 5 6 2,5pin: 宅内電話交換機入力へ NC 2 3 4 5 NC | | | | | | | | | | | | | | | +------------------+ 2対のペア線(数メートル内の場合 4芯 電話コードでも可) +-+-+------------------+ | | | | | | | ↓ ↑ | | | | | | NCNC 3 4 NCNC NCNC 3 4 NCNC 1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 | | | | | | | | | | | | RJ-11コネクタ ケーブル側から見た番号 | | | | (ゲートウエー(GW)へ) ~~~| |~~~ ~~~| |~~~ ~~~~~~ ~~~~~~ GW入力へ GW出力より (又は通常の電話機へ) (VoIPより)
c)宅内の壁のLANジャック
RJ-14 TX+/- 2pin, 3pin
RX+/- 4pin, 5pin を使用します。
また RJ-14とRJ-45間のモジュラーコネクタの結線は以下の通りになります。 ______ ___| |___ | | | | | | | | RJ-11コネクタ ケーブルの反対側から見た番号 1 2 3 4 5 6 (壁のモジュラージャックへ) NC 2 3 4 5 NC | | | | | | | | | | | | | | | +---+ 2対のペア線(数メートル内の場合 4芯 電話コードでも可) | | | | | | | | | | | | 1 2 3 NcNc6 NcNc 1 2 3 4 5 6 7 8 | | | | | | | | RJ-45コネクタ ケーブル側から見た番号 | | (PCへ) ~~~~~| |~~~~~ ~~~~~~
−以上−