東芝エアコン 室内機修理奮闘記                          2004.6.26


4日前 突然居間のエアコンが動かなくなった。

<故障の症状>
・ リモコン全く不能。
・電源を入れ直しても 電源ランプ 点灯せず。
・室内機を分解 回路基板を掃除したところ プラグの抜き差しでまれに電源ランプが点滅することがある。
 この状態で 運転(冷房)は可能。 しかし、いったんプラグを抜くと全く反応しない症状に逆戻り。

<原因推定>
・現象が
 - 台風の直後
 - 雨の直後 に起こったので 湿度を疑った。 ( --> 結果的には別原因だったが 。。)
・技術情報は 室内機の内側に張ってある簡易回路図だけ。
 東芝に依頼すれば 修理出来るだろうが 前回 別のエアコンが故障し(交換)した時に覗き見た
 テクニカルスキルに特別なものを感じなかったので 自分で修理を試みることにした。
・回路基板用の電源は3種。
 5V, 12V, 24V。 トランスの二次捲線は2回路で 12V、24V用が独立。 5Vは 12V〜作っている。
・時折 動く時は 3種の電源は正常。 5V,: 4.95V, 12V: 14.40〜14.24V, 24V: 26.1V
・故障中のときは 5Vの電源が 0Vになっていた。
 電源回路の故障と判断、 5V電源なら何とかなると 15個程度あるコネクタを メモを取りならがら すべて外し基板を取り出した。

写真1) 室内機の外カバーを外し基板を引き出した。


写真2) 室内機内に張ってあったこの回路図。 技術情報はこれだけ。 基板詳細図なし。 (輝度反転写真)

写真3) すべてのコネクタを外し 取り出した基板


<回路基板不良箇所解析>
・基板は 2層板。
・表面パターンを丁寧に読み、5V電源の発生メカニズムを解析。
 電源回路は、小さなアルミ放熱版を背負ったシリーズ接続電圧降下用のトランジスタと基準電圧発生用の超小型の(裏面実装)3端子素子(写真のQ15。 多分NPN Tr。 EB間ツェナーダイオードとして使用。 C-B缶は10Kオームで保護)からなる簡単なものであった。
・外した基板の12Vのテストポイントに外部DC電源から12Vを供給し5Vの電圧の挙動を観察。
 0.001uF程度のコンデンサをQ15の B-C間に当てるとショック5Vが立ち上がる。 一度立ち上がると正常電圧を維持する。 どうもシリーズTRのベースに接続されている基準回路(Q15)が発振している模様。
・コンデンサを付け放しにしてもても 12Vの立ち上げて安定に5V電圧は立ち上がらない。

写真4) 2端子REF電圧素子の様子。(基板裏面)



<改造>
・既存の5V回路は 一度立ち上げれば 正常電圧を維持するので
 起動時補助するプルアップ回路を追加することにした。 (通常時は5V出力電流は既存のTRから供給)
・5Vの3端子シリーズレギュレータ (7805: +5V, 1Aタイプ) を追加することにした。
 (この素子は15年以上前に買っておいたジャンク箱ストック品。3端子素子の端子機能は添付のURL を参照した。)
 逆流防止用Diは ガラス封じの小型の3.8VのZener-Diで これを順方向で使用した。

・今後のことも考慮し 5V,12V,GNDの各テストポイントにリード線(ジュンフロン線)をハンダ付け引き出しておいた。 

写真5) 5V部の回路図

写真6) 5V電源部 拡大 (右が追加の3端子レギュレータ.。実際は in/out両端子にGND間に発振防止C: 0.001uFを付けた))

写真7) 安定に5V電圧が出るようになった


・追加した3端子レグレータの入力電流は 4.6mA (この分が増加したことになる 14v x 4.6mA = 65mW)

写真8) 修理した基板と 12Vの電源電流



<最後に掃除、組み立て>
・カバーを組み立てる前に
  フィンを掃除(エアコン洗浄剤スプレー 2缶 計800円),
  ドレインパイプ(2m: 100円/m)を交換:(上部ではずれていた)
・カバーを復元し試運転。 結果は快調!!。
・作業時間 AM 8:00 〜 Pm 5:00
 お疲れさん。  フー!!


以上


1) 追加談
  1週間後 何かおかしい。 温度調節が効かない。(低温になった室温を関知せず。 →暖房も効かない)
  やがてパイロットランプが点灯しなくなり 冷房運転もしなくなった。
  原因はマイコンLSIの異常で触ると超高温 アッチッチになっていた。 → LSI内部の異常電流。
  2週間後 結局ボート全体゙交換のはめに。
  ¥8600で東芝にボードを注文し交換(ついでに室温センサー(\500)も交換)やっと正常にもどった。(今年の夏は暑い!)

2) 室外機のメンテ画像(MSword) offline用です。



<参考>
http://speana-1.hp.infoseek.co.jp/buhin/regulator/regulator.htm
<項目>三端子レギュレータについて
三端子レギュレータは最も身近なICですので、これまでに使ったことのある方も多いと思います。図1に三端子レギュレータのバリエーションを示します。三端子レギュレータは、各メーカーから発売されており、5Vの正電源1A用なら通称は、「7805」ですが、メーカーによって正式名称は「LM7805」であったり、[NJM7805]であったりします。どこのメーカーのものでも同じように使えます。
電圧は一般に、5V,6V,7V,8V,9V,10V,12V,15V,18V,24Vのものが用意されています。

三端子レギュレータのバリエーション
図1. 三端子レギュレータのバリエーション




<項目>三端子レギュレータ使用上のノウハウ(1)
 実際に使用する場合には、図2のように入力と出力(なるべくレギュレータの足の近く)に必ず、0.1μF程度の発振防止用コンデンサを入れ、定格値の40%以上の電流を取り出すには、必ず放熱器に取り付けて使用します。
 また、最低入力電圧は、「使用レギュレータ電圧+2.5V以上」となるように選びます。入出力間電位差を極端に小さくすると、平滑回路で発生するリプル電圧の谷間でICが動作できなくなり、出力電圧に大きなリプル・ノイズが発生します。ACラインの電圧が−10%〜−15%低下したときに、レギュレータの入出力間電位差が確保されている必要があります。
低消費電力化のため、入出力間電位差をどうしても小さくする必要がある場合には、入出力間電位差が0.2V〜0.5Vでも動作できる、低ドロップ・アウト型のレギュレータを使うようにします。


三端子レギュレータの使い方(1)
図2. 三端子レギュレータの使い方(1)